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N-88BASIC(86)の5インチフロッピー変換とプログラム抽出

N-88BASIC(86)のプログラムが収められたフロッピーの変換をご依頼いただきました。
製造業のお客様で、製品の強度計算プログラムが収められているそうで、プログラムの内容を確認したいという目的です。

N-88BASIC(86)は沢山の種類があり、わかりづらいのですが、簡単に整理すると

1)N-88BASIC(86)
後ろの(86)が省略されることが多いのですが、「8086」という16Bitに対応している86系、すなわちPC-9801に対応した、N-88BASICという重要な意味を持っています。
本来、後ろに(86)がないものは8BitのZ80系PC-88シリーズ用のN-88BASICものを指します。

別名「DISK-BASIC」といい、フロッピーディスクから起動し、OSとしての機能も持っています。PC-9801を購入すると一時期までは添付されていました。
ただし、MS-DOSとは互換がなく、MS-DOSやWindowsからフロッピーを開こうとしても「フォーマットされていません」と表示されます。
(対義で「ROM-BASIC」。98Fellowより前に搭載されていた。フロッピーを入れない状態で待つとROMから起動する。データは「カセットテープ」に保存する。)
DISK-BASICの起動直後
2)N-88BASIC(86)MS-DOS版
MS-DOS上で動作するN88BASIC(86)です。OSの機能はMS-DOSが担います。従って、ファイルのやり取りは容易です。通称「DOS-BASIC」といいます。(他にN88-BASICコンパイラがありますが、ここでは触れません。)
MS-DOS上でN88BASIC.EXEを起動し、FILESを実行した

N88BASIC.EXEを実行するとN88BASICが起動する

1)の場合、2回変換を介す必要があります。
まず、プログラムを通常の方法で保存されていると「バイナリ」という機械語に変換されて保存されているため、人間がプログラムの内容を読むことができません。

このため、まず一度BASIC上でファイルを読ませ、「アスキーセーブ」という方式、今でいう「テキスト形式」として保存をやりなおします。
その後、N88BASICとMS-DOSの変換プログラムを利用して、MS-DOS形式にファイル変換を行います。

2)の場合、ファイルはMS-DOSで扱える形式のためやりとりは容易なのですが、やはりバイナリ形式で保存されている為、プログラムを読むことができないため、一度BASIC上でファイルを読ませ、アスキーセーブします。

ただ、いずれの場合もプログラムに「漢字」が用いられている場合や、特有のキャラクター文字が使用されている場合は文字化けすることもあります。

このように非常に手間はかかりますが、変換してプログラムの内容を把握し、他のBASICや言語への移植に活かすことは可能です。
ご用命ありがとうございました。

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